学会誌への投稿の手引き
この手引きは、これまでの編集過程で検討されたことを整理したものです。編集作業を円滑に行うため、また、レフリー制度運用の透明性を高めるためのマニュアルといえます。また、投稿規定を補う細則の性格をもっていますので、学会誌へ投稿の際にはご一読ください。
1.学会誌の目的
本学会誌『地方自治研究』(以下、本誌という)は、日本地方自治研究学会の規約第2条(目的)に基づき、地方自治に関する理論および政策等の研究成果を公表することを主な目的としています。
学会外部へ情報を発信するとともに、会員間の交流により学会の知的共有財産を形成することを目指しています。
2.編集方針と投稿締切り
本誌は年2回、一方は全国大会の特集号として、他方は自由応募の論文集として編集・発行しています。
全国大会特集号の投稿案内は、全国大会の報告者にのみ郵送しています。投稿の締切りは全国大会のおよそ2か月後です。
自由応募の論文集の投稿案内は、全会員に郵送で行っています。また、当ホームページにも掲載しています。投稿の締切りは、毎回ほぼ同じで、4月上旬です。
なお、レフリー制度を採用しているため、投稿した号に原稿を掲載できないこともあります。入稿予定日までに審査を終了できない場合、次号に持ち越しとなります。
3.原稿の字数制限
投稿規約第1項により、研究論文は15,000字以内(図表も含む)としています。ワープロで原稿を作成する場合、1行40字、33行でページ設定し、1ページ当たり1,320字、11.5ページ以内とします(全15,180字)。
ワープロ・ソフトには自動的に字数を計算する機能がありますが、これは正味の字数であり、スペース(語間のあき)を計算していないことに注意してください。制限字数は、慣例にしたがい、正味の字数を数えるのではなく、段落ごとに改行して清書したときの原稿枚数に換算して理解すべきものです。
字数制限には図表も含まれます。図表は、適切な大きさによって誌面に占める面積に基づいて字数を換算する必要があります。
本誌も予算上の制約のもとで発行されている以上、字数制限を設けることはやむを得ません。この趣旨を理解して、投稿の際は十分に注意してください。
4.レフリー制度
本誌は1995年よりレフリー(査読)制度を導入しています。当初は試行錯誤でしたが、1999年に正式に「編集規定」「投稿規定」「論文審査規定」を設けました。
この制度の目的は、学会誌の質を維持することです。価値の低い論文が多く掲載されれば、学会誌の評価が下がり、ひいては学会自体の評価を下げてしまいかねません。社会的信用が第一の学会としては、そのような事態は避けなければなりません。
投稿された論文の審査には、編集委員会による形式審査と、査読委員(レフリー)による内容審査があります。
形式審査では、投稿原稿が著しく投稿規定に反しているために内容審査に入ることが不可能と判断した場合、あるいは表題等からみて本誌の目的に沿わないことが明白な場合、編集委員会の責任で投稿者に再考を求めています。
内容審査については、「査読結果報告書」の中で次のような項目を設けています。
- 論文としての体裁に欠けている。
- 内容および表現の正確性に欠けている。
- 論文としての独創性に欠けている。
- 未発表の論文とはいいがたい。
- 論文としての水準とはいいがたい。
- 『地方自治研究』の論文として適当な内容とは認められない。
査読においては、研究論文、すなわちオリジナルな研究成果をまとめたものとしての水準を保っているかどうかが焦点となります。そのため、投稿論文の学問的価値を評価するのに最も適任と考えられる会員2名に査読を依頼しています。
研究領域が近い場合でも、投稿者が論文作成の過程で指導を仰いだ人などは、査読委員の選任対象から外されます。さらに、本学会が学際的研究を特徴としていることから、論文のテーマによっては、査読委員の専門分野が異なるように配慮しています。
公正を期すため、原稿は投稿者名を隠して査読委員に送付されます。また、査読委員は投稿者に対して匿名とし、査読委員が自由に意見を表明できるよう保障しています。
5.研究論文の独創性
研究論文とは、長短にかかわらず、オリジナル(独創的)な研究成果をまとめたものです。それは、地方自治の領域における理論や政策などに関する新しい内容であって、その研究目的と結論が明確であることが条件です。情報提供にすぎないもの、単に事象を羅列したものは研究論文には値しません。もちろん原稿は未発表のものに限られます。
「独創性」とは、著者独自の考えに基づくものであり、他にはない「新規性」を備えていることが条件です。ただし、単に新しいというだけでは十分ではなく、その研究が学問の進歩に貢献するという意味での「有用性」を備えていなければなりません。
したがって、既存の研究の到達点はどこまでであり、どのような課題があり、何が解決されなければならないかを明示する必要があります。
論文掲載の可否を判断するときに最も困るのは、「とりあえずこうなった」という結論だけが強調され、そのことがいかなる学問的価値をもっているのかがはっきりしない場合です。論文の性格が、既存の理論では捉えられない問題の提起であるのか、あるいは既存のものとは異なる解決策の提案にあるのか、いずれの場合であっても、何のための論文であるのかを明らかにすることが重要です。
6.研究論文の体裁
研究論文は、それに相応しい体裁を整える必要があります。その基本は、明確な目的のもとで著者の見解が筋道を立ててまとめられていることです。
たとえば、論文の冒頭に目的が明示されていること、論点が絞り込まれていること、目的と結論が対応していることが基準になります。また、論文の価値を左右する部分に十分な紙幅が割かれていることも目安になります。
逆に、あれこれ触れてはいるが、何を一番いいたいのかわからず、結局、著者の意図をはかりかねるものは、研究論文には値しないということになります。
ここで再度強調しておきたいことは、論点を絞り込むことの大切さです。あれこれ言おうとすると、どれも中途半端になりがちであり、結果的に完成度が低いと見なされてしまいます。テーマによっては多くのことを主張しなければならない場合もありますが、そのような場合でも、特に重要な論点を中心に展開すべきです。
十分に論じ尽くせない論点は、別の論文に回すことも考えられますし、その旨を結論部分で述べるようにしてください。
7.内容および表現の正確性
査読委員には、表現の適切さについても意見を寄せてもらっています。論文を本誌に掲載することは、他者に読んでもらうことですから、字句の端々に至るまで仔細に吟味されていなければなりません。
表現が十分に練られていないものや、論文としての形式に不備があるものも少なくありません。極端な場合、査読に支障が出ることもあるので注意してください。
既知の事実を引用する場合、文献などを明示する必要があります。これは読者に対する配慮であるだけでなく、査読委員が原資料にあたって資料の使い方が適切であるかを吟味することがあるためです。ページ数まで正確に記載する必要があります。
また、文献の明示は、論文のオリジナリティを評価するためにも重要です。多くの論文は、既存の議論に何か新しい論点を付け加えたり、すでに指摘されている論点を新しい視点からさらに掘り下げたりするものです。したがって、従来の理論の到達点はどこまでであり、投稿論文の新たな貢献が何であるのかを明らかにしなければなりません。
新しいことを主張する場合には、読者がフォローできるように配慮することが大切です。本誌は多様な分野の読者を想定しているため、専門分野が少し異なる人にも理解できるように、わかりやすく論理を展開する必要があります。また、数式だけの羅列は望ましくなく、その意味するところを言葉で補って理解を促すべきです。どんなに優れた内容であっても、理解されなければ評価もされないということを忘れないでください。
8.論文掲載の適否
査読委員の審査報告は、次のように区分されます。
| 適当 | 掲載の措置をとります。 |
|---|---|
| 条件つき適(1) | 査読委員のコメントを投稿者に返送し、再検討および修正を要請します。再提出されると、編集委員会の責任で掲載の措置をとります。 |
| 条件つき適(2) | 査読委員のコメントを投稿者に返送し、再検討および修正を要請します。再提出されると、当該査読委員に再査読を要請します。 |
| 不適 | 不掲載の措置をとります。 |
条件つき適(1)と(2)の違いは、再査読を行うか否かです。条件つき適とは、論文のオリジナリティ、目的や結論の明確さ、記述の正確性などの点において、研究論文として一定の水準にあることが前提です。その上で、さらに改善するための修正を求めます。
修正箇所が多岐にわたる場合、あるいは論文としての価値を左右するほど重要な修正である場合には、再査読が必要です。このような場合は専門的な判断が必要であり、必ずしも専門分野が一致しない編集委員では適切な判断ができないためです。
本誌への論文掲載の適否は、2名の査読委員の審査報告に基づいて編集委員会が決定しています。2名の査読委員の所見が一致しない場合には、編集委員会は査読報告書を綿密に検討し、不明な点は当該査読委員に直接確認するなどして慎重に結論を出しています。
投稿者へは、必ず修正しなければならない点と、査読委員の見解を参考にして検討を要望する点とを区別して通知しています。投稿者は、受け入れるべき意見と思えない場合には、理由を付して従えない旨を編集委員会に申し立てることができます。
なお、掲載原稿には次の区別があります。
- 研究論文(Article):長短にかかわらず、オリジナル(独創的)な研究成果をまとめたもの。
- 研究ノート(Research Note):概念整理、理論仮説、分析枠組、政策モデル等において研究途上にあるが、学術的価値が認められるもの。
- 研究資料(Research Material):事例、調査等について資料的価値のあるもの。
研究論文としては掲載できなくとも、研究ノートあるいは研究資料として掲載できると判断した場合、投稿者の意向を確認することがあります。
9.入稿時の注意事項
ワープロを使用した場合、打ち出し原稿とともにフロッピーで提出します。その際、次の点に注意してください。
- 一太郎とワード以外のソフトを使用した場合、必ずテキスト・スタイルで保存する。
- エクセル等で図表を作成したときは、図表のみ別ファイルとする。
- 図表を載せるときは大きさに注意する。大きすぎると掲載できない。
10.抜刷
希望者には、実費負担で抜刷を配布します。基本は50部で6,000円です。さらに50部まで追加可能で、追加代金は一律3,000円です。郵送費は別に請求します。
校正時に申込み、引渡し後、速やかに郵便振替にて支払います。
11.投稿者への無料頒布
希望があれば、投稿者には学会誌を3部まで無料で配布します。学会事務局まで連絡してください。